新型コロナ禍で通院控えや感染防止対策としてオンライン診療や遠隔診療を導入される医療機関が増えています。
従来慢性期の患者様向けのものでしたが、2020年春から今のところ暫定的に規制緩和され、急性期の診療や、電話、オンラインでの診察&薬局へのFAXでの処方箋送信でもお薬の処方ができるようになりました。
遠隔診療は、電話があればすぐに開始できますが、オンライン診療はビデオ通話が必要です。また、決済をどのように行うかというのも、決めておく必要があります。
オンライン診療専用システムは必要?
結論からいうと、必須ではありません。
ビデオ通話機能は、LINE、skype、zoom、google meet、duoなどなんでもOK
遠隔診療でいいなら電話だけでOKです。
決済は、支払いだけ窓口で行うでもいいですし、銀行振り込み、paypal、paypay、LINEpay など、これもなんでもOKです。
とりあえず予約だけはオンラインで・・・という場合はUttaroの健診予約機能の活用でも可能です。
オンライン診療専用システムは、電子カルテメーカーやAI関連企業などが専用システムを開発販売しておられます。
これらは、予約からビデオ通話、クレジットカード決済までが一体になっており便利です。慢性期のオンライン診療でも経営が成り立つ診療科目やビジネスモデルの医療機関にとっては、使い勝手が良くメリットがあると思います。
しかし、新型コロナ禍で一時的にオンライン診療を導入しようとされる医療機関にとっては、注意するべき点があると思います。
導入コストは、メーカーにより初期費用0円から80万円 月額費用は1万円~3万円程度 プラス決済手数料数%~
医療機関に数十万単位の導入コストや月額費用が月数万円、決済手数料がかかるシステムもあります。メーカーがその道にたけているのめ、いろいろと質問できたり、ひとつのシステムで完結できるという点はメリットがありますが、オンライン診療の低い保険点数との兼ね合いで過剰投資にならないか採算面での検討が必要です。
機能が充実しているのはたしかですが、オンライン診療報酬の点数に比べてお世辞にも安い投資とはいえません。
医療機関の導入コスト0円のシステム ただし利用する患者がシステム利用料を負担
医療機関は無料で利用できるが患者側に費用を上乗せするシステムもある。
患者側が了承しており、また、通院する手間や時間、感染リスクを考えればコストは気にならないという患者が多ければ、問題ありませんが、通院患者の感じ方については診療科目の特徴や地域の特徴など利用者層の意識調査をしておく必要があるかもしれません。
LINEやSkypeじゃだめなの?
実は筆者も最初は、LINEやSkype、zoomでは診療報酬がつかないからダメと聞かされていましたが、そんなことは全くありませんでした。あれはなんだったんでしょう。。
ビデオ通話ができるものなら、なんでもかまわないようです。
重要なのは、ビデオ通話の種類ではなく、事前の患者へのWebサイトなどでの告知の仕方のほうでした。
1.患者への告知や予約と、自治体への申請
オンライン診療の使い方や支払いまでの流れをわかりやすくWebサイトの公示し、医師本人のアカウントであるとわかる表示のビデオ通話アカウントの準備と事前予約が必要です。事前予約といっても、予約システムが必要なわけではありません。何日の何時ころにオンライン診療を行うよという事前の医療機関と患者の双方の確認がとれていれば予約扱いになります。LINEでやりとりして、予約受付、当日LINEでだいたいの時間や順番を連絡してオンライン診療を開始。ということで問題ないようです。
また、オンライン診療を導入する医療機関は、事前に届け出が必要です。これも、通常のオンライン診療では、設備の登録など複数の届け出資料が必要でしたが、新型コロナ感染防止の措置としてのオンライン診療については、非常に簡単な書類の届け出を期日までに提出していただければ問題ありません。
オンライン診療料の施設基準に係る届出 令和2年度診療報酬改定の概要 (外来医療・かかりつけ機能) 別添7 基本診療料の施設基準等に係る届出書 様式2の5 オンライン診療料に係る届出書添付書類
2.LINE公式アプリ、安価なビデオ通話アプリ、決済システム登録の準備
弊社で暫定的なオンライン診療としてお勧めしているのは下記の構成です。
LINE公式アカウントで、医療機関の広報も兼ねたアカウントを作成し、友達登録を募り患者との連絡、診察予約用に準備
LINE公式アカウントは6月までビデオチャットができませんでしたので、Google duoという相手の電話番号さえわかればビデオチャットができるアプリを患者にインストールしてもらい、ビデオ通話はduoで行う。
duoはGoogleの製品ですが、iphoneでも使えます。発展途上国でも通話できるようにと開発されたアプリだそうで通信環境がわるくても結構品質がよいですしアプリをインストールしないといけないのは、患者にとって面倒ですが、インストールだけでOK。
やはり、患者にオンライン診療のために新しいシステムに登録してIDをとらすというのはかなりハードルが高いので、できればインストールしたら終わりのアプリか、LINEで連絡とビデオ通話がそのままできることが望ましいです。
zoomはもちろん、google meetやskypeは、患者側がシステム未登録でIDがなくても医療機関側が招待すれば通話できるようになりましたし
Facebookメッセンジャーのビデオ通話機能もリリースされるなどコロナ禍以降かなり簡単で安価にビデオ通話に招待しやすくなりました。ドクターやナースが使いやすく、当日の操作がスムーズになるツールを選定していただければと思います。
支払いは、paypayでQRコード決済。
paypayでは、QRコードをWebサイトに張り付けるなどして、非対面での決済は不正のリスクがあるため推奨されていなかったのですが、6月以降 オンライン診療専用の決済プランがリリースされています。QRコードをオンライン診療ビデオ通話中にやりとりしても結構ですし、QRコード画像を医療機関から患者様にLINEで送り、スマートフォンのフォトギャラリーに画像をダウンロード保存すればPaypayアプリからその画像を選択することで簡単に送金できます。Paypayは、ジャパンネットバンク口座があると便利なのと、Paypay、ネットバンクともに登録後審査などがありますので、できるだけ早めに申し込みをしておかれるとスムーズです。また、ネットバンクは、ホームページがないと書類が複数必要など条件もあるので要確認です。
クレジットカード決済のほうが望ましい場合はpaypalも便利です。
→2020年7月からLINE公式アカウントにもビデオチャット機能 LINEコールが実装されました(※LINE公式アカウントスマートフォンorタブレットアプリのみで利用可能)ので、今後はLINE公式アカウント一本で予約受付から通話まで行うこともできるかと思います。
支払い機能も同時にリリースされたようです。ただし弊社では未実験です。動作に問題ないかは事前に医療機関様ご自身で確認ください。
2022/12/26記事改定更新
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